役割分担で揉める夫婦(写真はイメージ/写真提供:Photo AC)

職場や家庭などで、相手の態度にイライラ・モヤモヤしてしまい思わず責めてしまうことはありませんか。どれだけ言っても相手が変わらない場合、感情的に反応して損をするのはあなた自身。どうしたら感情に振り回されず、気分よく生きられるのか。精神科医・和田秀樹さん著書『感情的な自分から卒業する本』より、感情をコントロールする簡単な方法を紹介します。

「どっちがやるか」で怒りたくなったら

「なぜ、女性ばかりがやらなきゃならないの? 不公平よ!」

今日もどこかの家庭で、こんな声が上がっているのでしょうか。共働き家庭ではもちろん、専業主婦であっても、女性に押し付けられたさまざまな負担の多さに、怒りが込み上げてくることもあるでしょう。

「役割分担を明確にするといい」とアドバイスしてくれる人がいます。

アメリカ人の奥さんのいる知人宅は、役割分担がとても細かいところまで決まっていて、よかれと思って、相手の分まで手伝ってしまうと、「自分の領域を侵した」と叱られるそうです。そこまでいくと、いかがなものかと思ってしまいます。

たとえば、家の掃除。風呂場は私、リビングはあなた、和室は私、キッチンは、ゴミ出しは、食器洗いは……。

確かに、これでうまくいくかもしれません。しかし、本当に大切なことは、自分が役割を担うことで、ともに暮らす伴侶の負担をお互いに減らしてあげることです。

あまりにもマニュアル化した役割分担は、感謝の表れというよりは、押し付け合う義務といった感じさえします。

こうした夫婦の役割分担は、いさかいの種となりやすいですね。

嫌気、そして怒りが生じて「もうやめた!」と投げ出してしまいます。離婚ということにもなりかねません。