ユリエさんには、仕事が忙しくて父の最期に十分寄り添えなかったという悔いがあった。

「仕事は好きだけど、自分の時間のすべてを仕事に費やすのは違うかなと思うようになりました。管理職になってからはとくに、自分が一度立ち止まりたいときでも、すべき仕事は待ってくれない。そんな状況に少し違和感を覚えたんです」

その後、管理職を降りて現場仕事に復帰したり、リモートワークを増やして実家の片づけに通ったり。ユリエさんの「ワークライフバランス実現」「一人働き方改革」は着々と進行中。

「仕事もプライベートも楽になったと感じています。これもリスト作りのおかげでしょうね」

「死」を思うことは、今の「生」を見つめること。人生後半期には、とくに大切な教訓のようだ。

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