新高速バス制度の創設
さらに国土交通省は、2013年(平成25年)4月、「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」を策定して、新たに規定された新高速乗合バスへ定路線型のツアーバスを移行させることになった。
新高速乗合バスの運行事業者として許認可を受けたものは49社(すべて株式会社ないし有限会社)で、43都道府県、197路線、1日当たり721便である。また高速乗合バスの管理の受委託の許可を受けた貸切バス事業者は30社となる。
同年7月31日の深夜出発便から新高速乗合バスの制度が開始された。
新高速乗合バスは、旅行会社が企画・募集したものであっても、乗客は直接運行する貸切バス会社と運送契約を交わすことが求められた。旅行会社が旅行商品として会員を募集して都市間でバスを運行することはできず、貸切バス会社と乗客の間の運送契約を代行するだけとなる。
また高速バスを運行する乗合バス会社が繁忙期に続行便などのために貸切バスを借りて走らせる場合、乗合バス会社は貸切事業者への委託について国の許可が必要となった。
高速乗合事業者に対しては、新たな規制がなされた。乗合バス会社が貸切バスに運行を委託するには、安全確保は委託した乗合バス会社が責任を持つこと、受託する貸切バス会社は、(1)運輸開始後3年以上が経過していること、(2)過去1年間重大・悪質な法令違反で処分を受けていないこと、(3)過去の行政処分歴が一定期間以内にないことが要件として定められた。
また、委託できるのは、委託者(乗合バス会社)の高速乗合バス事業の原則2分の1以内(一定の場合は3分の2以内)となる。
一方で需要動向に応じた柔軟な運行を可能にするため、運行計画、運賃・料金の事前届の期限を、30日前から7日前に短縮した。
さらに高速乗合バスの割引運賃については、運賃タイプごとに、上限額と下限額の幅による届け出を可能にした。また下限額は上限額の80%以上とし、過度な運賃の引き下げ競争がないようにした。