『ヨナ-Jonah』ワールドプレミアより、一人芝居のワンシーン(撮影 (c)ALEXANDRUCONDURACHE)

それだけ惚れこんだ演出家と、今回、一人芝居に挑もうと思うに至った経緯は?

――芸劇で『リチャード三世』をやった時に、ルーマニアのラドゥ・スタンカ国立劇場のプロデューサーが観に来て、「面白い、これルーマニアでやろうよ」って言ってくださったけど、これだけの人数で海外に行くのはちょっと無理でしょう、と。

その後、『守銭奴』の時もまた「やろうよ」とおっしゃるので、それならルーマニアでやることを前提として小さいバジェット(予算)で作品を作りませんか、とご提案しました。

最初、三人芝居にしようか、いや二人芝居、しまいに一人芝居でいこうということになって、僕は単身でルーマニアへ行き、初めて海外の人たちと一緒に作品を作ることになりました。

見知らぬ土地で、一人で長期滞在って怖いな、とも思ったけど、でもあの魔法のような演出をするプルカレーテさんを独り占めできるんだから! よし、楽しもう♪ と思ったんです。