アンソニー・ホプキンスの毒と魅力にやられた

さて、『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクターが世に衝撃を与えたのは1991年。34年も前なのだ。今回こちらを紹介するのは、私が見そびれていたからでもある。

私は怖がりで、そもそもホラー系は見ない。よってホラー的要素が話題となったこのシリーズには腰が引けたし、蛾も大嫌いなので、ジョディー・フォスターの唇に蛾が止まっているポスターにはドン引き。ぞっとした。

でもこの夏遂に『羊たちの沈黙』を見てしまったのが運のつき。私は、サー・アンソニー・ホプキンスの毒と魅力にやられてしまい、2日間で『ハンニバル』シリーズ4作品(ギャスパー・ウリエルがハンニバル・レクターを演じた『ハンニバル・ライジング』を含む)を一気見。さらに手に入る限りのアンソニー作品を取り寄せてしまったのだ。

私はその時やっと、『エレファント・マン』の医師役がアンソニーだったと気づく。しかし、レクターの方が断然いい!! 『エレファント・マン』は3回見たのに、アンソニーが出ていることさえ気づかなかったよ。(涙)

まさにレクター博士はアンソニーの当たり役。彼はこの役によって、蛹から蛾が飛び立つごとく役者として変貌を遂げ、世界にその名を響かせた。兎にも角にもレクター以降のアンソニーの存在感たるや半端ない。まさに彼はレクター役によって「化けた」のである。