自己の想像作用を、きれいに保つことを考えて生活する

不健康とか失敗とか、煩悶などという、人生になくてもいいものが、自分の人生に出現したときには、心に浮かんだ悪の想像が姿を現していることに注意するべきでしょう。

自己の想像作用を、いつもきれいに保つことを第一に考えて生活することです。こうして、人生もまた高尚なものとなるのです。

自分が他人に対して、悪の想像作用を働かすと「悪の循環」として自分自身にはね返り、自分自身をもそうした人物に変えてしまうのです。

対して、善の想像作用は総合的にも「善の循環」として、自分自身は当然のこと、企業や集団をもより良き方向に導くのです。

私が勤務していたイギリスのクランフィールド大学にまでお越しになり、何かとお世話いただいた吉田忠裕さん(YKK株式会社元社長・会長)は、創業者からの社是である「善の循環」についてよく語られていました。

正しい「成功の経験」をもつことが人間のより良き発展となる、というYKKの人材育成論には、当時から天風哲学に共通するものを感じていました。

 

他者に悪意を持つ(写真はイメージ/写真提供:Photo AC)