心に留めておくべきこと

裏を返せば、あなたは、まさに、ハートが学んだ現場にいるのです。彼が法哲学を深めるにあたって参考にしたかもしれない世界=実社会に、あなたはいます。

つまり、就業規則のような「ルール」(社会学用語で1次ルール)と、そうした「ルール」を決める、さらなる「ルール」、つまり、「ルールのルール」(2次ルール)の2つがあります。

(写真提供:Photo AC)

就業規則は、単に会社が押し付けてくる杓子定規なルールではありません。

「ルール」と「ルールのルール」の両方の側面をもつからこそ、あなたも私も、そこに、働く意味を見出せるのではないでしょうか。「ルール」として、ただ命令されるだけなら、そこに考える余地はありません。反対に、「ルールのルール」として、いつもきまりについて考えねばならないとしたら、それはそれで専門家でない限り、辛いかもしれません。

やるせない感情を就業規則に抱いたとしたら、それは、あなたがその職場に属している証拠にほかなりません。ルールなんてどうでもいい、と思っていたら、かまわず破るか、逆に、やる気も関心も失っているでしょう。

働く上で欠かせないルールと、どう付き合うのか。いつも心に留めておくべきなのは、間違いありません。