高石あかりさん(高ははしごだか)がヒロインを務める連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)。明治時代を舞台に、松江の没落士族・小泉セツをモデルにした物語。セツの夫は、怪奇文学作品集『怪談』で知られる小泉八雲です。ヒロインの松野トキ役を高石さん、夫で八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルにしたレフカダ・ヘブン役をトミー・バストウさんが演じ、怪談を愛する夫婦の何気ない日常を描きます。ヘブンと松江の人たちをつなぐ英語教師・錦織友一を演じるのが吉沢亮さん。『ばけばけ』は、制作統括を橋爪國臣さん、チーフ演出を村橋直樹さんが務め、吉沢さんが主演した大河ドラマ『青天を衝け』と同じ座組み。朝ドラは『なつぞら』以来6年ぶりとなる吉沢さんに作品への思いを伺いました。(取材・文:婦人公論.jp編集部 撮影:本社 武田裕介)
朝ドラは「なつぞら」以来
錦織のモデルは、英語教師で八雲の生涯の友人だった西田千太郎さん。西田さんの資料を読むうちに、すごく魅力的な人物だと感じ、ぜひ演じたいと思いました。以前から英語を学びたいと思っていたので、英語を話す錦織役はいい機会かもしれないとも感じたんです。
撮影前に松江を訪れて、西田さんや八雲さんの住んでいた家など『ばけばけ』ゆかりの場所を見学させてもらいました。町中の至るところに『ばけばけ』のポスターやのぼり旗があって、町全体がこの作品を応援してくださっていて、楽しみにしてくださってるんだろうなというのが、ひしひしと伝わってくる。ロケでは松江でしか撮れないすばらしい画がたくさん撮れました。
朝ドラの出演は『なつぞら』(2019年前期)以来6年ぶりです。『なつぞら』の時も1年近く撮影があって、スタッフやキャストに家族のようなあたたかい空気を感じました。今回も強い絆で結ばれているように感じます。
吉沢亮さん
撮影オファーをいただいたときには、「月に2~3日くらいの撮影の時もあります」と聞いていたのですが、始まってみたら月の半分以上を大阪で過ごしています。「あれ?」と思いながら、頑張って英語のせりふを覚えています(笑)。
『なつぞら』では、「朝ドラはほかのドラマに比べてこんなに速く撮影が進むんだ」と感じたのですが、『ばけばけ』はライティングや絵作りにこだわっているので時間の流れ方が『なつぞら』よりゆっくりしているように感じています。