Tシャツづくりはごまかしがきかない

Tシャツを含めたトップスのパターンは、削ぎ落とすとたった三パーツに行き着きます。それが、「前身頃」「後身頃」「袖」の三パーツです。この三パーツをいかに設計するかで、服の着心地は決まってきます。

<『なぜ日本製の服は着心地がいいのか』より>

シャツやコートには他の要素も加わりパーツ数も多くなりますが、シンプルなTシャツの場合は、この三大要素だけでつくられます。構成要素が三つしかありませんから、一つひとつの要素が持つパターン構成が、着心地に大きな影響を与えます。

『なぜ日本製の服は着心地がいいのか』(著:リサ/彩図社)

最近流行りの、オーバーサイズの服を例に考えてみましょう。皆さんも経験があるかもしれませんが、サイズが大きければ着やすいかというと、そういうわけでもありません。1サイズ、2サイズ大きいものでも、「首が苦しい」「腕を通す穴がきつい」「動きづらい」など、着心地が悪いと感じることがあると思います。

これらの欠点はいずれも、三大要素のパターン設計を体に馴染むように修正することで、解決できる問題です。適切なゆるみを持たせ、体が動かしやすいラインをつくることで、着心地はグッとよくなります。