日本のパタンナーがまず学ぶのはTシャツのパターン

現在では数が減りましたが、日本では今も、熟練の技術を持ったパタンナーが第一線で活躍しています。品質にこだわるメーカーなら、Tシャツのパターンもパタンナーたちが考えて、着心地を追求しています。

こうした仕事が可能なのは、日本のアパレル業界にパターン技術の蓄積があるからです。

ほんの十数年ほど前まで、アパレル会社は新卒でパタンナーを採用し、社内でパターンの技術者を育てていました。その際、最初に学ぶことが多かったのが、Tシャツのパターンです。

Tシャツづくりは、新人パタンナーにとって登竜門です。Tシャツで服づくりの基礎を学び、パターン技術を身につける。そうした慣習がありました。近年は自社でパタンナーを育てるアパレル会社は減ってはいるものの、技術を蓄積している会社は少なくありません(パターン専門の会社にパターンを頼むこともあります)。

日本のパタンナーはまず、三つのパターンづくりを叩き込まれます。肩ライン、衿ぐり、袖ぐりの三つです。これらのパターンが優れていれば、Tシャツの着心地はよくなります。シャツやジャケット、コートなどのトップスには別の要素も加わりますが、この三パターンが重要であることは同じです。