お尻のフィット感を左右するデニム後部の重要パーツ

デニムの穿き心地&耐久性を決めるバックヨーク

デニムの穿き心地を左右する、後部の重要なパーツ。それが「バックヨーク」です。

バックヨークは、ウエストのすぐ下からヒップにかけて、V字に切り替えられたパーツです(図)。装飾のように見えるかもしれませんが、実はデニムの穿き心地や耐久性を大きく左右する、とても大事なパーツです。その重要パーツのパターンを、日本のパタンナーは繊細な設計によってつくっています。

<『なぜ日本製の服は着心地がいいのか』より>

人間の体は、平面的ではなく立体的です。特にベルト下は、強い傾斜が生まれています。ウエストのくびれからヒップへ向かうまで、曲線になっているということです。ヒップ周辺にそのまま布を当てるだけでは、フィットした構造になりません。

そこで活躍するのが、V字の切り替えのバックヨークです。パターンが適切なバックヨークなら生地に自然な丸みが生まれ、ヒップラインを美しく見せることができます。

もうひとつ、バックヨークは耐久性を高める機能もあります。

腰からお尻にかけた部位は、座る・歩く・しゃがむといった動作によって大きな力がかかります。デニムのような生地の厚いアイテムの場合、力が加わって縫い目が破ける可能性もある。そこでヨークによって生地を分割し、縫い合わせることで力を全体に分散させ、デニムの耐久性を高めているのです。