お布施が「お気持ち」になっている不都合な真実

お布施の金額を明示すると課税されかねないという不都合は理屈では理解できます。

しかし、「お布施が高すぎる」あるいは「お布施を払うぐらいならお坊さんは呼ばなくていい」と考える人も増えている中で、「金額は示せない」と言い張ることは、不透明さを敬遠した寺離れを加速させる危険をはらみます。

『弔いの値段 葬式、墓、法事……いくら払うのが正解か?』(著:鵜飼秀徳、大久保潤/講談社)

つまり、自分で自分の首を絞めるリスクこそが、お布施問題に潜む「不都合な真実」なのです。

全日本仏教会が2023年に公表した実態調査では、お布施の金額を「お寺が明示することが必要」とする人の割合が53.5%に達しました。