お金を払う相手を「先生」と呼ぶ習慣

ついでにおもしろい共通点について触れましょう。

報酬が不透明な世界は僧侶、弁護士、医者がその代表です。弁護士と医者は透明化が進みましたが、いずれも利用者(客)がお金を払う相手を「先生」と呼ぶ習慣があります。お金をもらう側が「先生」と呼ばれ実質的に金額を決める倒錯した関係です。

さらに、今もカネを巡る不透明さが糾弾される政治家も「先生」と呼ぶのが当たり前になっています。新聞記者にも政治家を「先生」と呼ぶヤツがいますが、そういう記者は信用しない方がいいと思います。

※本稿は、『弔いの値段 葬式、墓、法事……いくら払うのが正解か?』(講談社)の一部を再編集したものです。

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