「お気持ち」はぼったくりを可能にするダブルスタンダード?

この仏教界のお布施問題と同じ状況がかつて弁護士会にもありました。弁護士に相談したり、弁護を引き受けてもらったりする時の弁護士報酬がとても不透明だったのです。

今はかなり透明になっていますが、この報酬透明化に関わった知人の弁護士がこんなことを言っていました。

(写真提供:Photo AC)

「実は弁護士についても報酬がサービスの対価か、お布施に近いものかについては、かつて争いがありました。私はサービスの対価という立場でしたが、長い間報酬を公開しないという不健全な時代が続きました。しかし、報酬を明示しなければ利用者が困るのです。そして弁護士を利用しなくなってしまう。はっきり言って『お気持ち』と言う仏教界の考えは、一部の弁護士がそうであったように、お布施の額を吊り上げる方便として使われているのだと思います」

金もうけのビジネスの論理にお寺や宗教が巻き込まれてはいけない、という理屈で「お気持ち」と言い張っていますが、現実にはお寺側の「もうけたい」ビジネスのマーケティング戦略に利用者が巻き込まれているのが実態だと思います。