翌日
翌日、慎也君は学校に来なかった。
来られなかったのだ。
朝のホームルームで担任がした話を、康介さんは夢の中の出来事のように聞いた。
クラス中がざわめいた。
隣の席の女子は悲鳴とも泣き声ともつかない奇声を発して、保健室に運ばれた。
慎也君は死んだ。
自宅の布団の中で冷たくなっていたのだという。
死因は心不全。要するに、原因不明。
※本稿は、『こどもの頃のこわい話 きみのわるい話』(竹書房)の一部を再編集したものです。
『こどもの頃のこわい話 きみのわるい話』(著:蛙坂須美/竹書房)
幼少期に目撃した奇妙な光景、いま思い出してもぞっとする体験。
それぞれが己の胸にあれは何かの勘違いか夢であったと封印してきた記憶を静かに呼び覚まし、丹念に聴き集めた怪異取材録。





