そのほかお勧めなのは、背筋を伸ばして胸を開き、肩甲骨を寄せるストレッチ。姿勢の矯正だけでなく、背筋の強化にも有効です。前傾姿勢での作業が長時間続くときは、このストレッチを1時間に一度行うだけでも、かなりの効果が。
お尻にある大殿筋が弱くなると、股関節を軸として、身体が前に倒れた状態になりやすいので、体幹を安定させるために、足を後ろに蹴り上げる運動をするのも良いでしょう。
最後に、健康な骨と筋肉を作るために、これらの材料となる栄養を摂ることもお忘れなく。運動の後に牛乳を飲むと、良質のカルシウムとたんぱく質を手軽に補充できますよ。
すでに腰曲がりが進行している場合でも、「手遅れ」ということはありません。ご本人の体力や既往症などの条件にもよりますが、基本的には手術が可能です。手術では骨の一部を切除し、矯正した後に固定しますので、術後はかがみこむ動作が一部制限されます。
しかし特殊なスポーツを除けば、日常生活には支障がありません。諸症状が改善し、行動の自由も広がるメリットのほうがはるかに上回ります。
健康な背骨があれば、アクティブに体を動かすことができますし、その結果食欲が出て、よく眠れるようにもなる。腰曲がりを治療・予防することは、健康の好循環につながり、充実した第二の人生を送るための助けになってくれるはずです。