次第に「肉は重いのでちょっと……」と、胃もたれしない麺類などで食事を軽く済ますように。こうなると負のループです。急速にたんぱく質不足・糖質過多が進んでしまいます。
肉など脂っこいもので胃もたれしたり、翌日お腹が緩くなったりしたとき、年のせいだと思う人も多いでしょう。しかし実際は、消化酵素と胆汁酸の材料となる「たんぱく質不足」による消化不良の可能性が高いのです。
一方で、健康のために肉や魚を積極的に食べる人も増えています。にもかかわらず、ほとんどの人がたんぱく質不足なのはなぜでしょうか。
その大きな原因となるのが「腸漏れ」(リーキーガット症候群)です。腸は栄養吸収の要。その入り口が小腸の上皮粘膜(腸粘膜)です。健康な腸粘膜は細胞が細かい網目状に結合しているのですが、粘膜が炎症を起こすと、その網目が広がってしまいます。
たんぱく質は、複数のアミノ酸が鎖状につながった成分。通常は、腸粘膜から分泌される消化酵素により分解され、最小単位のアミノ酸だけが細かい網目を通り抜け、体内に取り込まれます。
しかし、網目が広がった腸漏れの状態では、アミノ酸が複数つながった未消化の状態で体内に取り込まれてしまうのです(上図参照)。未消化のたんぱく質は体を作る材料として使えないばかりか、体が異物として判断するため、アレルギーの原因にもなってしまいます。