健康で若々しい体を維持するために大切なたんぱく質。意識的に摂っているから安心だと思っていても、実は栄養がしっかり消化吸収されていないかもしれません。そのカギとなる「腸」の不調を改善する食べ方を伝授します(構成:村瀬素子)
胃もたれは年のせいではない
筋肉にはたんぱく質が必要、ということは皆さんよくご存じでしょう。筋肉は、分解と合成を繰り返しながら常に新しい細胞に作り替えられているため、その材料となるたんぱく質を食事で摂らなければ、どんなに運動をしても筋肉量を維持することは困難です。
それだけでなく、たんぱく質とビタミンC、鉄から作られるコラーゲンは、しなやかで破れにくい血管を保って脳出血などを予防するほか、骨の柔軟性を維持して骨折のリスクを軽減。皮膚のハリや髪、爪のツヤといった、女性がとくに気になる美容面にまで影響します。
また、たんぱく質は感情をコントロールする神経伝達物質やホルモンの主要な材料です。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンや、意欲を引き出すドーパミンの分泌に大きくかかわっています。
このように、たんぱく質は心身の健康に最も重要な栄養素であるにもかかわらず、『婦人公論』世代は不足しがちなのが実情。原因の一つは、この世代は食事量が少ないうえ、健康意識の高い人ほど肉を控える傾向にある、という点です。
そんな食事が続くと、どうなるでしょうか。食事で摂った肉(たんぱく質)は、通常、消化酵素の働きや胆汁酸のサポートによって消化され、体内に取り込まれます。しかし肉を控えると、たんぱく質を材料に作られる消化酵素や胆汁酸の生成量が減少。肉を食べたときにたんぱく質を消化吸収しづらくなります。