定額聴き放題が最も課金転換率が高い

当時のSpotifyは定額モデルを採用していましたが、聴き放題だけでなく、さまざまなメニューが用意されていました。

たとえば無料ユーザーは月に20時間までは聴けるが、それ以上聴こうとすると有料になるといった具合にです。これをペイウォール(課金の壁)と呼ぶのですが、Spotifyでどこに壁を設ければ、つまり当時月間20時間だった聴取上限を何時間にすれば、離脱せず有料会員になってくれるかをさまざま試し、その転換率を測っていました。

(写真提供:Photo AC)

ユニバーサルミュージックでの分析も独自に並行しておこなわれ、最終的に双方で合意に至った結論が「壁がないこと(=定額聴き放題)が最も課金転換率が高い」だったのです。

この発見がSpotifyをはじめとしたストリーミングサービスの現在に至る普及の根幹にあります。