ある「真実」に気づいてしまった
そして、女性はある「真実」に気づいてしまい愕然とし、同時に虚しさを覚えたという。
「わたしが当初ターゲットにした子どもたちは、そもそも一人きりで夕食をとることに慣れきっていて、それを別に寂しいとは微塵も感じていない。むしろ動画を見ながら自由にしていられる時間を手に入れているのかもしれない……そういうことに気づいてしまったのですよ」
この話でわたしが再確認させられたのは、ネオ・ネグレクトとはそれを受けている当人も、それと自覚しづらい性質を持つ点である。
※本稿は、『ネオ・ネグレクト 外注される子どもたち』(祥伝社)の一部を再編集したものです。
『ネオ・ネグレクト 外注される子どもたち』(著:矢野耕平/祥伝社)
「送迎バスで習い事はしご」「お金だけ渡して毎日孤食」「受験は塾に丸投げ」「SNS映えのための子育て」……。
便利さや豊かさの影で欠けているのは、親が子どもへ向けるまなざしと親子の信頼関係です。
本書は、効率や課金では埋められない“子どもにとって本当に必要なもの”を問い直し、親や社会がこれからどうあるべきかを考える指針となります。




