松平定信を「愛せるな」って
松平定信は老中を辞めて白河に戻った後、強がりにも見えるようなことを書いていて。
どんなに素晴らしい政治をしていても、長く続けたら、だいたい文句を言われるものだ。だから、自分もあの辺でやめといた。あれは織り込み済みだった、みたいなことを書き残しているんですよ(笑)。
また彼は『大名形気(だいみょうかたぎ)』という黄表紙も書いていて。好き勝手にやる殿様に対して、その周囲が何も言えない、といった内容なんですね。
多分定信はそれを家臣に配って、「耳に痛いことでもちゃんと言うように」と伝えたと思うんです。でも実際に言ってきた家臣に激怒したらしい(笑)。
そういうところがすごく面白いし、私「愛せるな」って。矛盾を抱えているんですよね、定信は。のちに、南畝らにも本の執筆を頼んだりしていますし。
ドラマにそういったエピソードを盛り込む余裕はなかったんですけど、視聴者の皆さんに、なんとなく感じてもらえるところがあったらいいな、って。その結果として、彼はいつも布団部屋で号泣していたわけです、はい。