以前の回での”ある場面”を想起した視聴者
悪行の限りを尽くした治済でしたが、「眠らせているうちに斎藤十郎兵衛が入れ替わり、当人を島流しにする」という策により、ついに”かたき討ち”は果たされたのでした。
ここにきて【島流し】という意外すぎる結末に至った一方、以前の回における”ある治済の行動”が、実はこの結末の伏線だったのでは…と気づいた視聴者が多くいたようです。
その行動とは四十三回。ドラマ中盤、唐突に治済が能面を選ぶシーンが挿入されました。
せみが鳴く中、広間に広げた22枚の能面のうち、治済が顔にあてていたのは「泥真蛇」の面。「女の怨霊で、激しい怒りを象徴した」泥真蛇を顔から外すと、なぜかしっくりこない表情を見せる治済。あらためて見渡すと、別の面に目を留め、笑顔を見せます。
そして手に取ったのは「島流しにされた悲観と憔悴が表現された」とされる「俊寛」の面。
俊寛の面を付けると、副音声では<能面の奥に、笑みがこみあげる>との解説が流れます。すると能面を付けたまま、治済は納得したように何度もうなずくのでした。