関節の変形にもつながるモヤモヤ血管は押圧で改善

繰り返し負荷のかかる関節周辺は、特にモヤモヤ血管ができやすい部位。実際に、四十肩や五十肩、肩こり、腰痛、ひざ痛、股関節痛など、関節の痛みに悩まされる人は、40歳以降に急増すると言います。ではなぜ、モヤモヤ血管が痛みを引き起こすのでしょうか。

「人間の体は、血管が新しくつくられると、神経線維がその血管に沿って伸びていく仕組みになっています。そうして増えた神経が、炎症から発生する痛みを起こす物質を過敏に感じとることで、痛みが発生してしまうのです」

さらに問題となるのが、モヤモヤ血管が呼び込むサイトカインという炎症物質。

「サイトカインは、炎症を広げて痛みを起こすほか、軟骨をすり減らしたり硬くしたりする作用があるのです。そのため、モヤモヤ血管を放っておくと、関節の変形をきたす変形性関節症などを引き起こす可能性も出てきます」

できてしまったモヤモヤ血管を減少させるには、医療機関での治療法のほか、自宅でできるセルフケアもあると言います。

「モヤモヤ血管は正常な血管に比べて微細でもろい血管です。皮膚の上から15秒ほど指で押し、血流を一時的に遮断させることで、消失させることができます」

長引く痛みは早めに解消しておきたいもの。次ページから、自分でできる押圧法や、炎症を起こしにくい体づくりの秘訣を紹介します。

 

モヤモヤ血管ができているかも!? チェックリスト

2つ以上当てはまるようであれば、モヤモヤ血管ができていると考えられます

□ ケガがないのに、3ヵ月以上の痛みが続く
□ じっとしている時や夜にも痛みを感じる
□ 痛みのあるところを押すと痛みが強くなる
□ 動き始めたときに痛みが強くなり、しばらくすると和らぐ

 ⇒動くことでモヤモヤ血管が刺激され、血流が増えて痛む。
  動き続けると血流が筋肉に行って、血管の血液量が減るために痛みが和らぐ
□ 天気の悪い日や台風がくる前日などに痛みが強くなる
 ⇒血管は気圧の変動で拡張・収縮。
  雨の日など低気圧下では血管が拡張、モヤモヤ血管への血流が増えて痛む
□ 飲酒の後や入浴後などに痛みが強くなる
 ⇒モヤモヤ血管への血流が増えて痛みが増強