無事に退院したものの、今度は母の言動に首をかしげるように…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは山口県の60代の方からのお便り。実母と同居して5年。はじめは温泉旅行に一緒に行くなど、充実した同居生活だったけれど――。

母へのイライラ

実母と同居して、早5年になる。一緒に暮らし始めた当時、母は85歳。歩行はややおぼつかないが、認知症の症状は見られず、元気印の高齢者だった。父はすでに他界しており、私も夫に先立たれて子どももいなかったので、自然と同居の気持ちが固まっていた。

最初の1年は、日帰り温泉や買い物などに一緒に行き、充実した生活を過ごす。近所に住む妹夫婦や甥姪の家族とも会うことができ「実家は楽でいいなあ」と呑気に思っていた。母は時々転倒するものの、転び方が上手なのか大きなケガをしない。

「学生時代、バレーボールをやっていたころの回転レシーブが体に染み付いているから」などと笑っていたほどだ。だが、次第に手足が震えるようになり、箸が持てなくなり、やがて口数まで減って返事もしない状態となった。

ケアマネさんと相談しながら自宅介護を続けていたが、転倒した際にこれまではなかった骨折をしてしまい、入院することに。ほどなくして病院より連絡があり、「様子がおかしい。脳外科への転院を勧めます」とのこと。その日のうちに救急搬送、硬膜下血腫と診断され、即手術となった。

その後、無事に退院したものの、今度は母の言動に首をかしげるように。洗濯物の干し方や、料理の味付けなどで衝突することが続く。性格が変わってしまい、自分の意に沿わなければ大きな声を出して周囲を凍りつかせる。お菓子の買い置きをひ孫と取り合い、それを自室のソファーに隠す行為を目にした時には唖然とした。