依存、嫉妬など、認知症の初期症状に当てはまる状態ではあるが、ヘソを曲げない限り日常生活はできている。多少のわがままは許しているが、怒鳴り合いの大ゲンカもたびたび起きてしまうのが悩みだった。
同居して4年を過ぎるころには、母が視界に入ることすら嫌な自分がいることに気付く。このままでは私のほうがもたないと、短時間のパート、趣味、気分転換の散歩など介護から離れる生活を続けるように。だがそれでも、母へのイライラは残ったままだ。
そんなある日、母の主治医の先生の言葉が私を救った。「ほとんどの高齢者はMRIで検査すれば、何かしら認知症の症状が見られますよ」。
ヘルパーさんも「怒る、興奮する、卑下するなどの様子があれば、心を落ち着かせる薬を処方してもらえますよ」と教えてくれた。途端に、「そっか、母は病気なんだ」と受け入れることができ、妙に心が軽くなったように思う。
いまも相変わらず、自分勝手にふるまう母の言動には悩まされるが、なぜだか笑える介護ができるようになっている。こんな心持ちが、これからも続くことを願う。