働き方を相談したはずがなぜか叱られて

「公務員の夫は、コロナウイルス対策でとても忙しい時期。大変なのはわかっているから、家のことはできるだけ私が頑張ろうと思っています。でも先日、そんな気持ちも挫ることがあって……」と嘆くのは、東京都在住でデザイン会社に勤務する30代のエリさん。前々から感じていた夫との「仕事観」の違いを痛感したと言う。

「4月以降、私は出社を週2回に抑えテレワークをしていますが、緊急事態宣言を受け保育園の休園が突如決まった日もちょうど出社日で。幼い息子を電車に乗せて子連れ出社するわけにもいかず、迷った末にベビーシッターを手配しました」

急いで仕事を終えた彼女は、休園をどうしのぎ、どう仕事を回すかの算段に頭を抱えた。来週も2日は出社して上司や業者とやり取りする必要がある。帰宅した夫に相談すると、第一声は怒気に満ちていた。

「この状況で出社する必要なんてあるのか。家でできる仕事だろう!」

責めるような口調に、あ然とした。夫の仕事は現場に出る必要性があり、緊急時の重要度も高いことはわかっている。でもエリさんの仕事にも、個人では変えられないスケジュールがある。「それだとクライアントに迷惑をかけてしまうから……」。エリさんは、そう言うのが精一杯だった。

「子どもの安全を考えて、私もできる限り仕事をやりくりしようと思っています。でも実際そのやりくりが大変なのも事実で。相談をしているはずが叱られ、共感ゼロの夫を前に言葉が出ませんでした」

夫は休みの日には子どもの面倒を見てくれるいいパパだ。だが仕事のことではやっぱりわかり合えない。この日夫婦の会話は続かなかった。モヤモヤと納得のいかない思いを抱え、気持ちの晴れない日が続いている。

※後編では「夫婦で危機を乗り越えるためのヒント」を紹介します

後編「過去の浮気への怒りが噴出することも! 夫婦で危機を乗り越えるには」