イメージ(写真提供:写真AC)
〈発売中の『婦人公論』5月26日号から選り抜き記事を全文掲載!〉新型コロナウイルスの感染が拡大し、外出自粛、在宅勤務を余儀なくされる状況が続いている。そんななか、「コロナ離婚」という言葉を耳にするようになってきた。いきなり離婚に至らずとも、夫婦の間に日々生じる価値観のズレにストレスを募らせている女性は多いのではないか。その現状を取材した。後編は、50代の夫婦に訪れた危機です。(取材・文=玉居子泰子)

前編「子どもの相手も昼ごはん作りも私の役目? 在宅勤務で我慢の限界」

過去に封印した激しい怒りが噴出

コロナ対策の外出自粛やテレワークに起因する夫婦の摩擦は、子育て世代に限ったことではない。50代のチエさんは、今まさに離婚の危機にあるという。理由は、コロナとは一見無関係の“浮気問題”だ。

「夫は、十数年前にある女性と不倫関係にありました。発覚直後は離婚を考えましたが、夫はその後相手と関係を切り、何度も二人で話し合って、やり直そうということに。まだ子育て中でしたし、お互い仕事をして、時には旅行に出かけ楽しい時間を取り戻したかのようにも思えていました。時間をかけて関係の修復を図ってきたはずだったんです」

それがここへきて、チエさんのパート先は休業状態になり、夫は在宅勤務に。娘も巣立った自宅に二人きりになる時間が急増したことで、過去の嫌なことを思い出す時間が増えた。

「『あの時、この人は浮気した』という記憶と激しい怒りの感情が湧き起こるんです。自分でも抑えられず、何度も夫を責めてしまう」

苦しい気持ちを聞いてほしいのに、夫は仕事があるからと逃げる。そんな態度も自分への愛情のなさに思えるという。

「結局、許しきれていない自分がいると気づいたんです。このご時世、万一のことだってあるし、これから先、どれくらい元気でいられるかわからない。ずっとこのまま不倫問題に囚われて、一緒に生きていけるのか……思い切って離婚して互いの人生を歩いたほうが幸せかもしれないって思うんです」

図らずも非常時に夫婦二人の時間が増えたことで、これまで封印していた傷口が開いてしまった。しかし、解決策はまだ見えない。