人の心は放っておくとネガティブに傾く

鈴木 そもそも人は本来ネガティブ思考だと言われています。「無理だろう」と考えてダメだったときのショックを和らげたり、「この人は怪しいのではないか?」と危機管理をすることが本能の中に備わっているのだとか。

鈴木秀子
写真:鈴木慶子

江原 それ自体が必ずしも悪いことだとは言えませんよね。大切なのは、物事を冷静に見つめて理性で判断することだと思います。高い理想を掲げて挑んでも、思うようにいかずに大きく落ち込んでしまうこともありますし、逆に人を簡単に信じすぎて詐欺に遭ってしまうことだってあるのですから。

鈴木 はい。注意深く生きることは慎重に生きるということ。計画性を持って生きることにもつながりますから、自己防衛本能は使いようだと言えるでしょう。ただし放っておくと自分の心はネガティブなほうへ偏ってしまうのだということは覚えておいたほうがいいのです。このことを認識していれば、人に接するときには自分の感情をコントロールしなければいけないのだという発想にたどり着きます。

江原 なるほど。シスターは、いつも穏やかでいらっしゃるのは、生まれつきというよりも、日々ご自身で心を整えておられるからなのですね。