江原啓之、鈴木秀子
写真:鈴木慶子
世界各地で紛争や災害が絶えない現代で、私たちはどのように生きていけばいいのでしょうか。今回は、日本のスピリチュアル界を牽引してきたオペラ歌手・江原啓之さんと、聖心会シスター・鈴木秀子さんの共著『最良の人生を生きる法則』から一部を抜粋し、お二人の対談形式でお届けします。

嫌いな人をどうやり過ごすか

江原 人生は修行ですね。私はよく「結婚は忍耐の学びであり、結婚指輪の交換はつるはしの交換です」と伝えて、多くの人の夢を壊してしまうんですけれどね(笑)。

鈴木 結婚生活における悩みにもいろいろありますけれど、結局のところ人間関係に苦しんでいると言えるでしょう。家族、友達、職場の人……。人の悩みの9割は人間関係だと言いますけれど、裏を返せば、それだけ人間関係から学ぶことが多いということなのですね。

仮に職場の上司が嫌いだと感じている人がいたとして、嫌いな人とはつきあわないと決めてしまえれば楽ですけれど、そういうわけにもいかないじゃありませんか。嫌いな人ともつきあわなければならないというのは、修行どころか苦行ですよ。

江原 シスターなら、そういうときどうなさいますか?

鈴木 上司のいい部分を見つめて心を緩めます。どんな人だって一つくらいはいいところがあるんですよ(笑)。人はとかく、この人は嫌いだと思うと箸の上げ下ろしまで気になって、やっぱりこの人は下品だとか、やっぱりこの人はデリカシーがないなどと、「嫌い」という感情を積み重ねてしまいがちですけれど、見方を変えれば別人格が見えてきます。

たとえば、この人はでしゃばりだから嫌いだと思っていたとしても、違う角度から見れば自分の意見を持っている人だと言えるわけです。相手を変えることはできないのですから、自分の見方を変えるしかありません。

江原 相手を理解するというのも一つの方法ですね。デリカシーのないことを言われれば誰だって腹は立ちますが、「この人はコンプレックスがあるからこういう物言いをするのだろう」と思えば、怒りも収まり、むしろ同情心すら湧いてきます。

鈴木 嫌いな人を瞬時に優しい目で見つめるためのとっておきの方法があります。実は、嫌いな人は自分と似ているから嫌いだということがあるのです。

江原 なんだかんだ言っても、どうしても相手が気になってしまうというのは、自分とどこか似ているからなのでしょう。嫌いな人は自分の映し鏡なのです。波長の法則──類は友を呼ぶと言うように、同じ波長を持っているからこそ出会い、相手の中に自分の欠点を見せつけられているように感じて疎ましくなる。だから嫌いになる、ということは珍しくないと思います。

鈴木 人間って面白いですね。私は人と話していてイラっとすることがあると、この人は自分とそっくりなのだと思うようにしています。そうすると好きも嫌いもなく、なんだか恥ずかしくなってくるんですよ。

江原 ワハハ!(笑)

鈴木 人の振り見て我が振り直せだという方向に気持ちを切り替えれば、イラっとさせてくれてありがとうという気持ちにもなってきます。