チャンスをつかみたい一心

――結婚の挨拶パーティー(第14週70回)を演じられてのご感想は?

70回ではやっと母上に正直に全部を打ち明けることができて、今まで三之丞が1人で抱えてきた悩みや、苦しんできたものから解き放たれたような気持ちになりました。台本に「涙を流す」というト書きはありませんでしたが、タエと三之丞の今までの積み重ねがあったので、母上に頭を下げた時に今まで殺してきた感情が自然とあふれてきて…。顔を上げたら北川さんも涙を流されていて、浄化されたような呪縛が解けたような感覚になりました。

親子ですから、社長の職についていないと母上がわかっているのを三之丞も感じていたはずです。それでも本当のことが言えなかったのは士族の三男として育ち、やっと巡ってきた母の期待に応えるチャンスをつかみたい一心からではないでしょうか。それでもどう動いたらいいのかわからず、川辺で石を積んでいた頃は虚無でもう空っぽでした。

(『ばけばけ』/(c)NHK)

三之丞を演じてきた中で「ダラクソがー!」と叫んだのは、やっとできた楽しいシーン。初登場ぶりぐらいに楽しかったです(笑)。司之介役の岡部たかしさんとは別のドラマでご一緒したのでその時の関係性があり、アドリブで鬼ごっこをして走り回ったりしたのが印象的です。