『ブギウギ』と好対照の『あさが来た』
一方、同じ大阪を扱った連続テレビ小説でありながら、『ブギウギ』と好対照の作品がある。2015年後期放送の『あさが来た』である。
この作品はいわゆる普通の娘が成り上がっていく物語とは程遠い。そもそも主人公・あさは、最初から最後まで一貫して裕福なのだ。もちろん、いわゆる朝ドラなので、ある種のサクセスストーリーであることには違いないのだが、階級上昇を伴わないのである。
あさのモデルは大同生命の創業者にして、日本女子大の設立にもかかわった実業家・広岡浅子。実際の彼女も、京都の三井家から大阪の豪商・加島屋(後に加島銀行となる)に嫁いだ超がつくお嬢様である。
ぼんやり見ているとやり過ごしてしまうが、大阪商人の世界の描かれ方も通り一遍ではない。ステレオタイプなガツガツした大阪商人がほとんど出てこないのだ。玉木宏演じるあさの夫・新次郎の描写は極めつけで、明治が始まったからといって急に髷を落とすわけでもなく、洋服を着るでもなく、時代の流れから距離をおきながら、のんびりと生涯を送る。
