我々の脳裏に浮かぶ大阪は……
ミナミに象徴されるように、現代に生きる我々が大阪を語るとき、脳裏に浮かぶのはほとんどが大大阪以後の世界である。
かろうじて過去とのつながりを有している「商人の街」という表現ですら、おそらく一般にイメージされるのは伝統的な富裕層などではなく、商魂たくましい「浪速のおっさん」然とした姿であろう。
しかし、そうした人々は伝統的な商人たちの身分秩序の外から侵入したいわば新参者だったのである。
※本稿は、『大大阪という神話-東京への対抗とローカリティの喪失』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『大大阪という神話-東京への対抗とローカリティの喪失』(著:長﨑励朗/中央公論新社)
本書は、大衆社会におけるラジオ、吉本興業、職業野球、宝塚歌劇など多様な切り口を通じて、その軌跡を追う。
「大阪らしさ」の源流を描き出しながら、現在まで続く日本社会の均質性の問題を照らす試み。




