私は好きな職業に就けてラッキー

ご主人の博喜さんは出方の仕事で現場に向かう途中、駅で歩けないほどの痛みに襲われて救急車で病院に運ばれたことがある。その旨を駅員に電話で親方に伝えてもらった。尿管結石だった。

何とか応急処置をしてもらい、痛み止めを飲んで現場に行くと「〆丸親方がピエロの格好でカセットを持ちながら立っていて、その姿に涙が出ました」。

堀田さんはあるとき、通りかかったオジサンから「お姉ちゃん、若いね、いくつ」と聞かれ、どこまで年をサバ読めるか検証しようと「二十五です」といったら、即座に「干支は」と畳みかけられ、絶句。「二十四は○○年だよ、とヒントまでもらったんですけど……それからは干支もおぼえて二十八というようにしています(笑)」。

博喜さんは四年前にチンドン屋をやめて突如、時計の修理工になった。「チンドンより興味を上回るものが出てきてしまったという感じです。こわれかけた時計を直すのはおもしろい」。いまはほんのときたま、夫婦でチンドンするそうだ。

一方、堀田さんは「私は好きな職業に就けてラッキーだと思っています。他人に強要されたり、だれかにうえに立たれたりすることがすごくイヤなので、自分でできる、ストレスの溜まらない仕事というのがいい。チンドンは保護されていない芸能、芸といえるかどうかわかりませんが、いい職業だと思います」。