もうひとつ、人工呼吸器を語る上で伝えておかなければならないことがあります。それは、一度呼吸器を装着してしまったら呼吸機能の改善以外の理由で外すことが難しいこと。
こんなはずじゃなかったから呼吸器を外してほしい、意識が戻らないなら呼吸器を外してほしい、ということがこの国ではできないんですね。医師が殺人罪で起訴されてしまいます。
そのため、病棟でも救命センターでも、高齢者への人工呼吸器装着は年々慎重になっています。
本当にいいんですか? 助かってもお金とケアがものすごくかかりますよ、というアナウンスがされているはずです。
気になる人は、過去に医師が人工呼吸器を外して罪に問われた事件が何件かありますので、調べてみてください。
誰も悪くないのにこういうことが起こってしまうことそのものが悲劇だなと思いますし、制度やルールが定められないのはなぜなんだろう、と考え込んでしまうこともあります。
※本稿は、『人生の終わり方を考えよう 現役看護師が伝える老いと死のプロセス』(高島亜沙美:著/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『人生の終わり方を考えよう 現役看護師が伝える老いと死のプロセス』(高島亜沙美:著/KADOKAWA)
死を見つめることは、生を考えること。老いや死にも、準備と努力が必要です。
老いのプロセス、介護保険の仕組みと実情、終末期医療と緩和ケア、死の事前準備と終活、自分らしい最期を迎えるためのポイントなど、現役看護師だからこそ伝えられる、自分らしい最期の迎え方。





