がんに罹りやすい
高齢がん患者は、下図表に示したような多くの弱みを持っていることも事実である。人体の老化は、がん発生の重要な要因である。がんと診断されるのは、75%が65歳以上の高齢者であり、高齢者の健康管理では、常にがんの存在を意識せねばならない。
診断の遅れ
高齢がん患者では、老化や様々な持病のために、がんによる身体の不調に気づかなかったり、がん検診を受診していなかったりする。その結果、がんの診断が遅れ、進行した状態で発見される傾向がある。
治療に伴うリスク
高齢がん患者では、様々な理由で治療に伴うリスクが大きい。まず、人体を構成する臓器の多くは、30歳ころに比べると、65歳以降では機能が7〜8割程度まで低下し、加齢とともにさらに衰えるとされる(中村榮太郎『老化の測定とその制御』金原出版、2004)。高齢者は、普段は全身の衰えを意識せずに暮らせても、がんによるダメージや治療に伴う副作用・合併症・後遺症に抵抗する全身の予備力は低下しており、重症化しやすい。
また、高齢者では、徐々に動脈硬化が進み、高血圧や脂質異常症、肥満、糖尿病などの持病を持っていることが多い。それでもがん治療は安全に実施できるが、若年者に比べると、心筋梗塞や脳血管疾患などの重篤な合併症を起こす頻度が高い。また、持病に対して多くの薬剤を投与されているときには、がん治療に影響を与える場合がある。
