暮らしへの支援

高齢がん患者の暮らしの状況にも配慮する必要がある。超高齢社会や少子化の影響で、独居または老夫婦だけの高齢がん患者が増加している。闘病に必要な情報収集能力、様々な説明に対する理解力、通院手段、経済的な面も含めて、最善の医療を実施するのが困難なことがある。

標準治療が未確立

医学的な課題として、高齢者、特に後期高齢者では、手術や薬物療法などの臨床試験の対象から外れるため、最善の治療である標準治療が設定されていないことが多い。そこで、実際の治療では、より若い世代で確立された標準治療を準用することが多いが、治療に伴う副作用・合併症・後遺症が、若い世代に比べて悪化することがある。そのため、標準治療よりは効果が劣るが、より負担が少ない治療法が用いられることがある。

※本稿は、『高齢者とがん-健康管理、診断・治療から心と暮らしのケアまで』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

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高齢者とがん-健康管理、診断・治療から心と暮らしのケアまで』(著:山口建/中央公論新社)

本書は、がん発生のメカニズムから健康管理、正しい診断と最善の治療、退院後の注意点まで、最新の医学を解説。

また、高齢がん患者と家族の心のケアのために何ができるか、がんと向き合うための心構えをどう持つか、1万人以上の患者・家族の証言をもとに説く。