大学卒業後、変わってしまった兄

兄は大学を卒業する頃になると、家に連れて来る友人たちのタイプがガラリと変わり、暗い雰囲気の人たちとなった。その人たちに誘われ、教祖のような人の自宅に通い、心を奪われていった。

そして、企業に就職することをやめ、プロカメラマンの助手をする仕事も放り出し、家を出て、一人暮らしを始めた。

家に戻った時には、統合失調症を発症していて、精神科病院に半年間入院。その後、自宅にいたが、亡くなるまで社会に出て活躍することはなかった。

私が40代に入ると父が難病になり、同時に父の借金が発覚し、自宅を売却して引っ越すという大変な時も、兄は母としか話をしなかった。父が6年間の闘病の末に亡くなり、兄も私も独身なので3人家族になったが、やはり兄と私の会話はなかった。

ところが私が51歳の時に、想像もしなかったことで、まともな会話ができるようになった。

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