遺された人にとっての「悲劇的な死」

しかし、遺された人にとっての「悲劇的な死」はもちろんあります。

どのようなものかというと、「お別れができていない死」です。

『毒親を在宅で見送った緩和ケア医が伝える 関係のよくない親を看取るということ』(著:岡山容子/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

「お別れができていない死」とは、わかりやすい例ですと、事故・災害等での突然の死です。

そのような死はとてもつらいものです。

あるいは、事故や災害など突然の予想のつかないものではなくても、医師として「よくある状況」としては、次のようなものがあります。

医療従事者は「もうそろそろ患者さんが亡くなるだろう」と思ってはいるものの、医師が余命予測をしてない、伝えきれていないなどで、それが家族には理解できていない状況です。

この場合、家族は「まだまだ死は先だろう」と思っています。したがって医療従事者には予想のついたタイミングで亡くなったとしても、家族にとっては「突然の死」になってしまいがちです。