外出禁止令中でもサーフィンは例外?
ハワイはご存知のとおり、1年中天気が温暖であり、オアフ島だけでも、ワイキキ、アラモアナ、カイルア、ラニカイなど、世界でも名高いビーチが多い。「外出禁止令」が出てからというもの、それらのビーチでゆっくりと寝転がったり、友人と集まって日光浴をしたりすることは禁じられた。
ただし、サーフィンは例外だ。日々の天気予報でも、東西南北のビーチに押し寄せる波の高さを紹介するほど、サーフィン人口が多いハワイ。サーフィンはエクササイズの一環として外出禁止令下でも認められている。
もちろん海に入っている間、2フィート(2メートル弱)の距離を取らなければいけないし、海から出たらビーチに立ち止まって話をしてはいけない。ただ、ビーチが多いハワイでは、大した混雑になっていないので、サーファーたちは自由に楽しめているようだ。
またハワイの「アロハ」な気持ちが表れる事例を一つ紹介しよう。オアフ島のワイキキから車で30分ほどの街カイルアにある「ラニカイ・ブリューイング」。カイルアで100%醸造しているクラフトビール会社だ。ハワイ島のイチゴや蜂蜜を使ったり、ハイビスカスの花を配合したりとハワイらしさを売りにしたビールが多々ある。
CEOのスティーブ・ホムスチャイルドは、ハワイでベスト起業家賞を受賞している人物。州内で不足するハンドサニタイザーに目をつけた。科学者でもある彼は、ビールの成分からサニタイザーを作れないかと模索したところ、ラムを生成するときに排出されるエタノールがあれば製造可能だった。そこで、友人の「コハナ・ハワイアンラム」のオーナーが協力することに。
そしてSNSで賞味期限切れのビールがないか呼びかけたところ、アメリカ・ワシントン州のビール会社から930ガロンものビールを提供された。現在までに90ガロンのハンドサニタイザーを製造し、医療機関をはじめ、ホノルルの研究所やハワイフードバンク、学校施設へと配布されたという。
そして、厳しい制限の成果か感染者は減少し、5月7日には「自宅待機令」が「Stay Home」から「Safer at Home(家に居た方が安全)」に緩和。少しずつ経済活動が再開されてきている(「Safer at Home」は6月末まで)。ただ、ホテル業界は、3月、4月と同じく、5月に入っても休業状態が続いているというし、ワイキキにある回転レストラン「トップ・オブ・ワイキキ」を始め、いくつかの有名レストランも廃業を余儀なくされている。
最近オアフ島では、人が少なくなって海が綺麗になったためか、北のノースショア・ビーチでしか見られなかったホヌ(海がめ)がワイキキビーチにも出没した。
6月5日からは、店内に入れる客は10名までという制限があるものの、レストランでの店内飲食が可能に。7月1日には、観光業が再開されるという報道もある。「1日も早く、この街に観光客を迎えたい」、ハワイの皆の願いである。