歌舞伎俳優の尾上右近さん(左)と俳優の篠井英介さん(右)(撮影:岡本隆史)
男性が女性を演じる意味とは何か。現代劇と歌舞伎それぞれで女性を演じてきた篠井英介さんと尾上右近さんに、2人の舞台を長年観続けてきた関容子さんが切り込みます。(撮影:岡本隆史 聞き手:関容子)

雷に打たれたような衝撃で

――現代演劇の嫋やかな女方でありながら、映像では非常にアクの強い男の役も演じる篠井英介さん。少年の頃に杉村春子が演じる『欲望という名の電車』の主人公・ブランチをテレビで観て、「将来この役を演じたい」と強く願ってそれを実現させた。

一方、近ごろの目を見張るような活躍ぶりがまぶしい歌舞伎若手花形の尾上右近さん。3歳の時、母方の曽祖父、六代目尾上菊五郎の『鏡獅子』を映像で観て、「僕は今にこれになるんだ」と宣言。昨年、歌舞伎座の檜舞台でその夢を叶えている。

初志貫徹のお二人に「女方の芸」について聞いてみた。

篠井 おかげさまでこの3月に『欲望という名の電車』のヒロイン、ブランチ役を久し振りに演じることが決まって、本当に幸せに思ってます。19年ぶり、4度目なんですよ。

右近 おめでとうございます。初演はいつ頃だったんですか?

篠井 ちょうど右近さんくらいの年齢の時に、上演の権利が取れたんです。それで大喜びして稽古して切符まで売り出した時に、著作権所有者から突然撤回されて。主演が男優だということが向こうに知れたわけなんですね。

右近 なんで、それがいけないのか。