「出来事」ではなく「感情」を記録する重要性

多くの人は、ストレスを感じたとき「何が起きたのか」を整理しようとします。「上司にこんなことを言われた」「家族に理解してもらえなかった」と、出来事を振り返ること自体は決して悪いことではありません。

しかし、心理学の視点から見ると、ストレスの正体は出来事そのものではありません。

同じ出来事でも、平気な人もいれば、深く傷つく人もいます。その違いを生むのが、「その出来事をどう感じ、どう意味づけたか」という感情の部分です。心理学では、感情は思考や身体反応と密接に結びついているとされています。

怒り、悲しみ、不安、虚しさ、嫉妬、孤独感。これらはすべて、心が外界に適応しようとする正常な反応です。

ところが私たちは、「こんな感情を持つべきではない」「気にする自分が弱い」と判断し、感情そのものを否定してしまいがちです。

しかしその結果どうなるかというと、自分が何を感じているのか分からなくなり、次第にストレスの原因が見えなくなっていってしまうのです。

感情を否定せず、記録することは、自分の内側で何が起きているのかを可視化する行為です。それは、年代に関係なく共通するセルフケアの基本であり、心身の健康を保つための重要な習慣でもあります。