「ネガティブな感情」が果たす重要な役割

ネガティブな感情は、不快で厄介なものとして扱われがちですが、医学的には「危険信号」として重要な役割を果たしています。

怒りは境界線を侵されたサイン、悲しみは喪失への自然な反応、不安は身を守るための警告です。問題は、それらを長期間抑圧し続けることです。

研究では、感情を抑え込む「感情抑制型コーピング」が、慢性的なストレス反応と関連することが示されています。ストレスホルモンであるコルチゾールが高い状態が続くと、自律神経系や免疫系に影響を及ぼし、心身にさまざまな不調が現れやすくなります。

医療現場では、

・検査では異常がないのに続く倦怠感
・慢性的な頭痛や胃腸症状
・動悸や息苦しさ
・不眠や気分の落ち込み

といった訴えをよく耳にします。

これらの背景には、表現されなかった感情が関与しているケースが少なくありません。

心身医学では、「言葉にならなかった感情は、身体症状として語られる」と表現されることもあります。感情は無視すれば消えるものではなく、感じ切られなかったとき、別の形で表に出てくるのです。だからこそ、感情を「外に出すこと」自体が、予防医療の一部になるのです。