アソという少女

現地では通訳なしで移動しなければならない時間もあり、言葉が通じなくてあたふたする場面もあったのですが、それも今ではよい思い出になっています。

しかし、この旅で得た最大の成長はそれではありませんでした。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

帰国後しばらくして、人生観そのものを揺るがされる出来事に遭遇することになったのです。

ある日受け取ったニュースレターに、ひとりの少女の死が報告されていました。その少女は、私が現地で仲良くなったアソという子でした。

やせっぽっちだけど、笑顔がかわいいおかっぱ頭の女の子でした。

幼くして親と離れて暮らすことになったせいか、暇さえあれば大人の後ろをついて回る甘えん坊さんでした。

勉強はあんまり得意ではないと笑っていたけれども、好奇心旺盛な人懐っこい子でした。

帰国する日には、泣きそうな顔で見送ってくれました。帰国後はニュースレターで様子を知るだけでしたが、それでも現地で見たのとちっとも変わらない、弾けるような笑顔を写真で見るたびうれしく思っていました。

そんな子が、10歳になるやならないで他界してしまったのです。

死因は心臓発作でした。くわしい経緯はわかりませんが、その年齢で心疾患ということは生まれつきなにか心臓に問題があったのかもしれません。