阿武隈山地では原発事故後に目撃情報が増えた
茨城県も同様で、明治時代に絶滅したが、再び他の地域から入り始めた場所だ。
北部の福島県からの侵入はこれまで記録があったが、2008年に名勝として有名な袋田の滝のある茨城県大子町で1頭の子グマが交通事故に遭ったことで、どうも生息しているらしいということになった。それ以降、確実な記録はなかったものの、2025年にはドライブレコーダーでその姿が撮影された。
茨城へと続く福島県の阿武隈山地では、福島第一原子力発電所の事故の後に目撃情報が増えているようだ(山崎<崎はたつさき。以降同様>ほか2009※)。原発事故後の避難区域では人間の活動が停止し、それが野生動物の分布拡大を加速させた可能性がある。福島県に隣接した茨城県北部でのクマの記録は、今後も少しずつ増えていくのであろう。おそらく、どんどん南下し、いつか筑波山に達するかもしれない。
同様に、これまではクマの生息が確認されてこなかった津軽半島、能登半島でもクマの生息が確認され始めた。
※山崎晃司ほか(2009)阿武隈山地南部(茨城県・福島県・栃木県)へのツキノワグマの分布域拡大の可能性について.哺乳類科学 49: 257-261.
