スプレーは「御守り」のようなもの

スプレーが有効なシチュエーションというのはクマとの距離が1mか2m程度で、自分が明らかに風下ではない場合になる。

十分にクマが接近し、自分が風上ないし無風状態のとき、クマの鼻に向けてスプレーを噴射すれば、効果がある製品ならばクマを撃退できる可能性が高い。そのため、理想的には事前にスプレーの噴射練習をしておくことだ。どの程度の力でレバーを引くと、どの程度の距離を噴射することができ、どの程度の時間噴射しているのかを体感できる。

『クマは都心に現れるのか?』(著:小池伸介/扶桑社)

ただ、高価なものでもあるので、使い方の動画を見ておくだけでもイメトレができる(日本クマネットワークでも使い方の動画を公開している)。スプレーは「御守り」のようなもので、安価ではないが5年ほどの有効期限の間の「安心を買う」と思えば費用対効果は悪くないだろう。

ちなみに、「クマよけスプレー」と表記されることもあり、実際そういった商品名のスプレーもあるようだが、厳密にはスプレーでクマを忌避させることはない。虫よけスプレーのように、吹きかけておくだけでクマが来なくなるようなイメージを抱かせるが、むしろ通常とは異なる匂いに対して、興味を持ったクマを誘引する可能性すらある。