定年後にネットを使えないとどうなる

加えて、これから定年後の人たちにとって重要になってくるのが、ネット環境への対応力だ。

ネットを使いこなせると、コミュニケーションの幅が一気に広がる。それによって、人間関係も円滑になる。

『定年後の日本人は世界一の楽園を生きる』(著:佐藤優/飛鳥新社)

現在の若者は、テレビなど観ない。その代わり、ユーチューブやネットフリックス、あるいはアマゾンプライムビデオなどを観ている。ということは、同じメディアを観ていれば、子どもや孫と話をする際の共通の話題を見つけることができる。

近年に大ブレイクしたアニメやドラマ、たとえば『鬼滅の刃』や『愛の不時着』などを観れば、それが共通の話題となるだろう。

現在の定年後の人たちは、ネット環境に順応できる人と苦手な人、その二つに大きく分かれている。難なく順応し、これらを使いこなしている人がいる一方、ネットどころかパソコンも満足に使えない人もいる。これが新たな格差となっている。

趣味や娯楽の分野だけならまだしも、銀行や行政とのやり取りなどでネットへの対応が必須になっている。それは『韓国 行き過ぎた資本主義』(金敬哲著・講談社現代新書)で紹介されている韓国の事例だ。ネットに親和性のない高齢者が長距離バスの切符を買うために行列したり、銀行でおカネを引き出す際に高い手数料を取られたり……。

こうした実用的なこと以外にも、ネットを活用できる人は周囲とのコミュニケーションを深めることができるので、不安や孤独を感じることもなくなる。一方、ネットを活用できない人は、経済的にも社会的にも不利益を被る。そうして不安感や孤独感が増していく可能性が高い。