コロナ禍のエンタメ界で、僕らがすべきことは
実家の父は少し前に脳梗塞を患い、現在はデイケアやヘルパーさんによる介護サービスを受けながら、療養生活を送っています。97歳になる祖母もいるので顔を見せに滋賀へ帰りたいのですが、いまは新型コロナウイルスのせいでそれもできなくて、つらいです。父は東京にいる僕のことのほうが心配みたいで、電話をするたびに「俺はいいから、お前こそ気をつけろ」と気遣ってくれています。
幸い現時点で僕に健康上の問題はありませんが、出演舞台の公演延期など、仕事には支障が出ています。
そもそもコロナ以前から、音楽市場は聴き放題のサブスク(サブスクリプションの略。会員制の定額サービス)が主流になって、ミュージシャンはCDやダウンロードでの売り上げで収入を担保するのが難しくなってきていました。そこに加えて、今回のコロナです。
コンサートや舞台のように、チケットを売ることで利益を得るライブパフォーマンスも、現状ではこれまでと同じようにはできない状態が続いています。
コンサートというのはメロディーや歌詞を聴くだけじゃなく、場の空気が揺れるさまを体感しに行くもの。舞台も同じで、現場にはそこでしか味わえない刺激や心の動きがある。
ライブの火を絶やさないために僕たちが何をすべきか、業界全体で今後のことを真剣に考えていくことが必要です。
自分に必要なものは何か、本当に大切なものとは何なのか――。目を背けずに現実と向き合いながら、危機を一緒に乗り越えていきませんか。そのとき、僕の歌や演技がみなさんのお役に立てれば嬉しいです。