確たる思いを抱いて
私は、人間関係や登場人物の成長を描くことに強い関心があります。ほかにも、さまざまな夫婦、親子、嫁姑のありようを描いたので、自分ごととして読んでいただけたら嬉しいです。
自分の道を生きる7人の女性たちを衝き動かすのは、「こうありたい」や「これだけは嫌だ」という強い気持ち。そうした確たる思いを抱くことが、今を変えるための第一歩になるはず。
なかには、現状に不満があっても「仕方がない」と受け入れてしまう人もいるでしょう。それが必要な時もありますが、本作で描いた武家の女性たちが自由と主体性を手に入れようと一歩を踏み出したのは、制約が多いなかで育まれた強さのように感じます。この立ち上がる力は、どの時代にも通じる、不変なものではないでしょうか。
私は今年、作家生活10周年を迎えます。デビュー前から、文章にお客さんのつく作家、つまり「この人の文章が好きだから著書を読む」と思われる作家を目指してきました。
さいわい、私の文体を支持してくださる読者も増えて嬉しい気持ちがある一方、自分が理想とする文章にはまだまだ遠い。綺羅星のごとき先達がともす灯りで足元を照らしながら、これからも自分の道を一歩ずつ進んでいこうと思います。
このところ時代ものが続いていましたが、私のデビュー作は史実に基づく小説。原点に立ち返り、歴史小説も書いていきたいです。






