紙の束を食べていたのは
東京から飛行機で通うこと6回、ホテルに計30泊しながら作業を続けました。一度行くと4~6泊して片づけや草刈りを行っていたので、1回の滞在で12万円ほどかかります。
短期集中で一日中作業をするため、帰る頃には疲れてへとへと……。空き家に泊まればホテル代が浮くではないか、と思われるかもしれませんが、泊まれない理由があったのです。
義父の書斎の本を古本業者に送り、一息ついていた時のこと。ふと、部屋の隅に積まれていた高さ15センチほどあるA4の紙の束に目が留まりました。何の書類か確認しようと上から3センチほどを摘まんだところ、その中に何千匹というシロアリがうじゃうじゃと群れをなして、紙の束を食べていたのです。
声にならない悲鳴をあげて、すぐさま手を離し飛びのきました。床下だけでなく、床上に置かれた紙の束まで食べるほど、この家にはシロアリが棲みついている……。布団を敷いて寝る気にはとてもなれません。
こうしてホテルと行き来しながら片づけを進めるほか、私は相続税を下げるために市役所で資料を調べたりもしていました。おかげで相続税評価額は、変形地かつ前の道路が狭い私道であることなどから少し下がりましたが、実は建築当初から比べると母屋は増築され、離れは義父の手作りで建てられたことが判明。
固定資産評価証明書には建物の課税項目が2つあったため、てっきり母屋と離れの分だと思っていたのですが、実際は母屋と増築部分が対象であり、離れは今まで課税されていなかったのです。