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浮気した夫をどう迎え、どう向き合うのか。妻としての「正解」はない。裏切りが判明した後の、3人の妻たちの選択は? 3人目の長谷川さん(仮名)は、末っ子の妊娠中に発覚して…(取材・文=亀山早苗)

夫の携帯のGPSが妙なところに

夫が浮気をした。それは夫の心の動きである。そのことで妻が傷つくのは当然だが、問いただしたところで、完全にすっきり解決することはできないのかもしれない。

「私は怒りをぶつけることもせず、夫もとりたてて釈明するわけでもなく、表面上は以前と同じような日常が続いています。ただ、私は変わってしまいました。もう夫を心から愛することはできないと思います」

苦しそうな表情でそう話してくれたのは、長谷川友佳さん(40歳・仮名)だ。小柄で華奢な女性である。結婚して11年、8歳、6歳、3歳と3人の子を育てている。夫の不倫がわかったのは、末っ子の妊娠中だった。

「夫が週に数回しか家に帰ってこなくなって。最初は、仕事が忙しくて会社近くのカプセルホテルに泊まっているという言い訳を信じていたのですが、あまりにもおかしい。夫の携帯のGPSから、妙な場所にいるのがわかったので尋ねたら、あっさり派遣社員とのダブル不倫を白状しました。あげく、『家庭と彼女、どちらかを選ぶのは無理』とまで言われて。私はショックで早産、その時はさすがに夫も焦ったようです」

とはいえ、しばらくは彼女との関係が続いていたと、友佳さんは見ている。末っ子が生まれて3ヵ月ほど経ったころ、ふと夫が毎日ちゃんと帰ってくることに気づいたという。

「その人と別れたんだな、と思いました。でも、子育てが忙しくて夫とゆっくり話すこともできず、そのまま今に至るという感じなんですよね。ただ、私は許していませんし、これからも許すことはないと思います」